トランプ大統領の関税政策は「自業自得」、S&P500は調整局面

Ｓ&P500は調整局面に突入、貿易戦争の緊張が高まる中、米国経済の景気後退について経済学者たちが意見を述べた。

出来事：ローレンスH・サマーズ（元米財務長官）氏は最近の関税政策を非難、景気後退リスクと長期的な悪影響の可能性について警告した。サマーズ氏はCNNのインタビューで、このような関税政策は「自業自得」であり、企業と消費者のコストを上昇させるだけでなく、国家安全保障も脅かすと非難した。また、アジアとヨーロッパの競合相手に利益をもたらす一方で、米国の同盟国を遠ざけているとも述べた。

サマーズ氏は、これらの政策が引き起こす経済的な不確実性にも言及、支出と投資を抑制するため、成長が鈍化する可能性があると述べた。また、FRBが利下げに迫るために経済にダメージを与えるという考えを否定した。

そして、米国の景気後退リスクは政策転換によるもので、10％から15％からおよそ50％に上昇したと警告、恣意的な関税引き上げや支出削減は長期的な悪影響を及ぼす可能性があるとも述べた。

一方、モハメド・エラリアン(Mohamed El-Erian)氏は、S&P500が過去3週間で10％下落したことについて、値下がりの速さに「目を疑う」とXに投稿した。

しかし、ジャスティン・ウォルファーズ(Justin Wolfers)氏（ブルッキングス研究所のシニアフェロー）は悲観的な考えにも希望を見出している。CNNで、米国での景気後退は「避けられない」としながらも、米国の大統領が好調な経済を受け継いでおり、就任してから日がまだ浅いと理由を述べた。

しかし、今回、景気後退を引き起こすのが外部要因ではなく、ホワイトハウスの混乱した経済政策であると述べた。ウォルファーズ氏は、これらの政策が企業と消費者に支出を一時停止させ、景気後退の「引き金」となるかもしれないが、「必ずしもそうではない」とも付け加えている。

なぜ重要か：多くの経済学者のコメントは、最近エスカレートした貿易摩擦の緊張の中で示されたものだ。

トランプ大統領が最近のフランス産シャンパンやEUの洋酒に200％の関税を課す発表したことで、木曜日、S&P500は史上最高値から10％下落、調整局面に入った。

SPDR S&P 500 ETF（NYSE:SPY）によるS&P500は、5,147ポイントで終了し、2月19日の最高値6,147から大きく下落している。この新たな売り圧力は、エスカレートする貿易摩擦が引き金となり、最近の関税政策が経済に及ぼす悪影響の可能性に経済学者の懸念が強まっている。

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